海食とは

海を食べるということ

四方を海に囲まれた日本では、古くから四季折々の豊かな海の幸をいただき、長い時間の中で「知恵」と「技術」を蓄積しながら食文化を築いてきました。 

しかし近年、急激な海洋環境の変化(獲れる魚種の転換や資源の減少など)や、ライフスタイルの変化(家庭での調理の手間や魚離れなど)により、昔からの当たり前が崩れ、「海を食べる文化」も変わりつつあります。

 海の状況が刻々と変化し、食文化もそれへの対応が求められている「今」だからこそ、私たちと海の恵みの現在位置を見直し、「海を味わう」ことに向き合う必要があります。

「和食」から「海食」へ。「和食五法」から「海食十法」へ。

日本は古来、四季折々の海の恵みを享受してきました。

しかし、現代の「和食」の定義は陸の食材を扱う技法に偏り、魚を食べるという行為も「魚食」という単なる消費に留まっています。本プロジェクトでは、和食五法に「干す・漬ける・締める・発酵させる・燻す」の五法を加えた「海食十法」を提唱し、海をいただく知恵を体系化します。「海食」の根底にあるのは、環境への適応、命を使い切る資源循環、そしてあらゆる料理体系と交わる文化融合性です。また「技法」に地域や旬という要素をかけ合わせることで、日本全国四季折々の「海食」体系を網羅することができると考えています。

私たちは、この空白となっていた「海食」という思想を立ち上げ、広く発信していきます。

多彩なプロジェクトで、未来の食卓を編み直す

「海食」の思想は、理論に留まらず多様な実践を通じて社会に波及していきます。

22.5万人の登録者を抱える「さばけるチャンネル」を動くアーカイブとし、漢字から文化を紐解く「魚漢字プロジェクト」や、現場の海を体験する「海旅」を通じ、多角的に海食観を醸成します。映像、記事、シンポジウムを連動させ、これらの活動を世界へ発信することで、海食を和食・洋食に続く第三の食文化として確立し、豊かな海の文化を未来の世代へと手渡していきます。